「東京ラーメン」とは本来、シンプルでオーソドックスな醤油ラーメンのことを指す。 東京ラーメンの草分け的な店は、1910年(明治43年)創業の「来々軒@浅草」。 東京は情報量の多さ、競合店の数も多く、多種多用なラーメンが登場し、現在も日々進化しつつある。 大きく分類すると、@ご当地系、A従来型系、B従来型の進化系、C独自・ご当人系に分けられる。 |
東京ラーメン(ご当地系) ■荻窪ラーメン ■八王子ラーメン ■油そば |
東京ラーメン(従来型系)※重複するものもあります。 中国の汁そばが、日本のラーメンへと変化した典型的なスタイル。 スープは醤油ダレ、ラード、化学調味料をドンブリに加え、豚骨や鶏ガラ、昆布、野菜などを煮立たせずに摂った透明なダシを加えたもの。 店によりダシに煮干、鰹節、鯖節などをブレンド。 麺は中細の縮れ麺。 具はナルト、ほうれん草、ネギ、チャーシュー、メンマ。 【主な店】 来集軒…東京都台東区西浅草2-26-3 光江…東京都台東区下谷2-22-6 萬福…東京都中央区銀座2-13-13 栄屋ミルクホール…東京都千代田区多町2-11-7 さぶちゃん…東京都千代田区神田神保町2-24 |
東京ラーメン(従来型の進化系)※重複するものもあります。 店により、節系を強調したり、チャーシューの煮汁をかえしにしたりし、隠し味を加えたり工夫。 豚骨・鶏がらスープの動物系と煮干や節系の魚介ダシを別々に摂り、ドンブリで併せるWスープ方式。 「つけめん」は賄い食から生まれたスタイル。 皿に盛った麺を醤油ダレにスープ、唐辛子、酢を加えたつけ汁につけて食べる。 「つけめん」は通常冷たい水で締めた麺を温かいつけ汁に浸けるが、「あつもり」という温かい麺を温かいつけ汁に浸ける方式もある(元祖は東池袋大勝軒)。 ラーメンに比べ麺の量が多く、自家製麺のストレートが多い。 麺を食べ終わった後のつけ汁にスープを入れて飲むのが蕎麦家で蕎麦湯を飲むのと同じで最後の楽しみになる。 【主な店】 荻窪ラーメン系、丸長系、たんたん亭系が含まれる。 |
東京ラーメン(独自・ご当人系)※重複するものもあります。 ■がんこ系 宗家(元祖)一条流がんこラーメン系 ■大勝軒系(3系統) @丸長・大勝軒系 従来の東京ラーメンの進化系の範疇にも入る。鰹節・鯖節・煮干を効かしたスタイル。 【主な店】 丸長(荻窪)、丸長(目白)、丸信、栄楽、大勝軒(代々木上原)、大勝軒(中野)、大勝軒(東池袋) A永福町大勝軒系 1955年(昭和30年)創業の井の頭線「永福町駅」駅前のお店。大きなどんぶり、290gの麺、カメリアラードと大量の煮干を使ったスープのスタイル。 【主な店】 永福町大勝軒、梅丘大勝軒・閉店、めとき@新大久保、むらもと@大岡山、保谷大勝軒、麺家壱兆@東大宮・埼玉県、勝つや@梅丘、月うさぎ@松陰神社前、大勝@柏・千葉県 B人形町大勝軒系 1912年(明治45年・大正元年)創業の「大勝軒@人形町」は、3系統の中では創業が最古であるが、1988年(昭和63年)に5代目が業態を変え、「珈琲大勝軒」という喫茶店になっている。 中華料理店の草分けで、暖簾分けは10店舗以上ある。現在、同じく人形町にあるお店は、26年間チーフで厨房に立っていた人が1987年(昭和62年)に独立して開いたお店。鶏ガラと野菜をベースにした東京ラーメン。自家製麺のお店が多い。 【主な店】 大勝軒(人形町)、大勝軒(日本橋本町)、大勝軒(馬喰町)、大勝軒(浅草橋)、大勝軒(清澄白河) ■たんたん亭系 豚骨と鶏ガラをベースに海産物を効かせた琥珀色のスープ。大ぶりのワンタンが入ったラーメンが看板メニュー。 【主な店】 たんたん亭(浜田山)、八雲、かづ屋、八島、はやしまる ■ご当人系 ラーメン店での修行経験はなく、独自のセンスで築きあげたラーメン。 1990年代以降これらのお店が牽引役としてリードしている。 【主な店】 武蔵、青葉、斑鳩、大喜 ■ラーメン二郎系 三田が本店。当初は慶応大学学生の御用達のお店であったが、支店、FC店が増えるにつれ広まった。背脂タップリの醤油豚骨スープ。醤油ダレにはカネシ醤油と味醂の混合したものを使用。麺の量は多く、その上に大量のもやしとキャベツが載る。チャーシューを「ぶた」と言い、刻みニンニクや野菜のオプション・トッピングができる。ラーメンと言えば二郎という熱烈なファンを「ジロリアン」と呼んでいる。トッピングをする時や味の濃さを調整する時に使う言葉を「二郎の呪文」と言う。 【主な店】 三田本店、目黒店、仙川店、鶴見店、歌舞伎町店、品川店、新代田店、八王子野猿街道店、東池袋店、府中店、亀戸店、上野毛店、神田神保町店、高田馬場店、小滝橋通り店、虎ノ門店、武蔵小杉店、ラーメン二郎@荻窪、のスた@大井町、ラーメン大堀切店他 ■ホープ軒系(東京豚骨醤油ラーメン系) 豚骨と大量の背脂、ニンニクや玉葱、人参等の野菜を煮込んだ乳化したスープに醤油ダレを加えた豚骨ラーメン。 【主な店】 ホープ軒本舗(吉祥寺)、ホープ軒(千駄ヶ谷) ■背脂チャッチャ系ラーメン ラーメンが出来た後に、背脂を振り掛けるスタイル。 キレのある醤油スープの上にかけるタイプと豚骨醤油スープの上にかけるタイプがある。 【主な店】 弁慶、香月、涌井、えるびす、耀、土佐っ子 |
八王子ラーメン(東京都) 薬味に生の玉葱を使うのが特徴。濃い色の醤油スープに甘味が加わりマイルドな味わい。 麺は中細。 【地元の主な店】 みんみん、星の家、あさひ軒 |
油そば(東京都) 東京武蔵野市周辺が発祥のラーメン。スープのないラーメンとして知れ渡った。茹で上がった麺に、ラードをベースにした特製の油ダレやチャーシューの煮汁の醤油ダレを絡めたもの。具はチャーシュー、メンマ、刻み葱、茹で(生)玉子等。ラー油、酢、胡椒は好みで入れる。元祖は珍珍亭。 【油そばの主な店】 珍珍亭、東京麺珍亭本舗、三幸、あぶらーめん |
東京ラーメン(ご当地系)
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