本日は「豚骨麺」。
どんぶりは黒い陶磁器製、直径が約15cm。
一般的などんぶりが19.5cm、(因みに永福町大勝軒は24.5cm)というからかなり小ぶり。
ダシはゲンコツと鶏ガラなどの動物系で摂り、タレに魚介系を入れている。
香味油としてアゴ油を使用。
豚骨の臭みのない穏やかな味わい。
魚介も程よく効き、雑味のないクリーミーで美味しいスープ。
「本日は魚が強めに出ています。」とのことだが、突出せず程よい。
卓上に差し出された陶器に入った2種類のタレは、鰹唐辛子ダレと鰹胡椒ダレ。チャーシューダレに昆布のエキスを入れ、辛味をつけたもの。
一口舐めると甘みが先行するが、程よい刺激。
唐辛子ダレは豆板醤風、胡椒ダレは斬新で初めての味。
これを入れるとスープがキリリと締まった味になる。
福岡から取り寄せたという麺は細ストレートで130gとやや少なめ。
スープと馴染んではいるが、食感としてはシャープさがない。
期待した「浅草開化楼」製のチー麺は日替わりメニューに使われているようだ。
替え玉を入れようと思ったが、スープがあまり残らず断念。
バラ肉チャーシューは、約1cmの厚切り。
一枚一枚切り分け、オーブンで焼いたもの。
箸で掴むとプルプルとした柔らかさ、噛むとジューシーな肉汁が口の中に溢れ美味しい。
ただ、下味の醤油が立っているのが気になった。
味玉は白味の部分の滲み込みは薄く、パクッと割れている。
黄身は半熟ではなく、餡子状。他の具は万能ネギ。
メンマはなし。
開店当初のお店では、スープ作りをする上で、寸胴が馴染むのに苦労をするという。味が定着し、軌道に乗るまでには、通常数ヶ月かかる。
まだ微調整をしているという段階のようだ。
お店のコンセプトは、「麺酒場」といっているように、ダイニングバー的なスタイル。
一品料理を食べ、お酒を飲み、締めにラーメンを食べる。
そのラーメンが創作性の強い一杯で、客を楽しませるというもの。
ただ、昼間の食事としてはどうであろうか。
差し出された瞬間に、このラーメンで締めにするのにはまだ早すぎると思ってしまった。
【掲載】2006年6月 【行列】0人 【らーめんの王様】★★☆☆☆