本日は「スペシャルラーメン」。
どんぶりはやや小ぶり。
豚ガラ、鶏ガラをベースに野菜類、鯖節、鰹節、煮干などを加えたダシ。
湯気とともに芳ばしい煮干の風味が香り立つ。
節系特有の旨みとエグミが共存し、芳醇な魚介風味がにじみ出たスープ。
一口飲むと煮干と鯖節が強めに効いていて味わい深い。
ラードは控えめで、すっきりとした味わいの中に昔ながらの醤油ラーメンを感じさせる。
スープの全体の割合からすれば醤油ダレが心持強いが、角が立つほどではなく、むしろマイルド。
ダシとのバランスの良さを感じさせ、飽きが来ず、後口も好い。
多加水の中太のストレート麺は、毎朝仕込んでいる無添加の自家製。
表面は滑らかですすりやすく、噛むと中は小麦粉が詰まっているようなボソッとした食感。
チャーシューは醤油ダレの染み込んだモモ肉。やや引き締まって硬めに感じるが、噛むほどに肉の味がして味わいはある。
メンマも同様に味がしっかりとして美味しいが、コリコリ、シャキシャキといった歯ざわりというよりは、あごが丈夫になりそうなぐらいに繊維質が残る。
たまたま、そういう部分であったのであろうか。
他の具は海苔とネギ。
本店のスタイルと値段をほぼ踏襲している。
このコストパフォーマンスと満足のいく味わいはうれしい限りである。
中野で味わえない人にとっては好都合。
中野のお店に行ったことがある人にとってはサプライズが欲しいところ。
無論、暖簾分けであるので、違うものを出すわけにはいかないであろう。
話の中身はわかっていても、語り手が違えば何度聞いても面白いのが古典落語。
それと同様に、ベースが同じでも語り口調が少し違っていれば中野よりもこちらに引力が働くかもしれない。
【掲載】2006年3月 【行列】0人 【らーめんの王様】★★★☆☆