本日は「らーめん」。
陶器の丼鉢が和の趣。鶏ガラ主体の白湯スープに、鯖節、鰹節、いりこ等の魚介系を併せるWスープ方式。
表面を覆うのは褐色の香味油。
初めて見た人は面食らうであろう。
節を揚げて作るものだが、田ぶしは「鰹油」に対して、こちらは「鯖油」を用いている。
実際には油を多様していると思われるが、オイリーな感じもせず、滑らかな口当たり。
乳白色のスープと合わさり、口の中で動物系と魚介系が交じり合った旨味が押し寄せる。
また、片隅に盛られたきめ細かな魚粉が、時折加わり、波状攻撃を仕掛けてくる。
インパクトを重視しているように見えて、実は調和の取れた仕上がりとなっている。
あっさりめで、飲みやすく、飽きが来ない。
麺は「三河屋製麺」製の平打ち中太ストレート麺。
最初、固めにも感じるが、徐々に馴染んでくる。
プツンと歯切れの良い歯ざわりで、最後まで伸びることはない。
小麦の風味もあり、スープとの相性も良い。
チャーシューはバラ肉の巻きで、適度に歯応えを残し、柔らかさもある。
四角くぶ厚いメンマは、コリコリとしていて、歯応え十分。
他の具は小松菜と白髪ネギ。
ビジュアル的には「田ぶし」と重なる部分もある。
しかし、らーめんにおいては香味油と麺の改良、つけ麺においてはデフォルト以外に酸味と辛味(別添えのお猪口に入った三杯酢・卓上に置かれた一味唐辛子)を客自身で加えられるという工夫をしている。
オリジナリティが見え隠れしているが、新たなじげん(次元)に進む予感もする。
【掲載】2007年6月 【行列】0人 【らーめんの王様】★★★★☆