本日は「味玉塩そば」。
ドンブリは広口で高台の方がすぼまった形状。
ビジュアル的には修業をした2つのお店のスタイルというよりは、交友関係のある「地雷源@方南町」に似ている。
表面に浮く香味油はエシャロットや他の香味野菜とエビの風味を移したもの。
塩ダレは沖縄の自然海塩とモンゴル岩塩の2種類の塩を使い、エビ・ホタテ・あさり・肉・野菜のエキスを凝縮したものを加えている。
豚骨を弱火の火力で炊いたダシに、魚介系の和風ダシを加え、更に貝類のダシを加えたトリプルスープ。
無化調を謳っているだけに、自然で繊細なる味わいとホンワリと優しい魚貝の風味が伝わってくる。
塩梅や油加減もちょうど良い。
ただ、極めて淡く、味を焦点化するのが難しい。
その分香味油の風味が際立つ。
しょうゆに比べ、客の好みを考えて貝類の味は控えめにしているようだ。
麺は「三河屋製麺」製の中細のストレート麺。
メニューによって3種類の麺を使い分けている。
滑らかな表面ですすりやすく味わいのある麺。
このクリアーな清湯スープには硬めで歯切れの良い茹で加減の方がマッチするように思う。
バラ肉の煮豚は下味がしっかりと付いていて、全体の中では味がはっきりとしていて美味しい。
味玉は味は薄めながら黄味がトロリと流れ出る絶妙な固まり具合。
穂先メンマは繊維質が残りながらもソフトな口当たり。水菜とネギは彩りとアクセントをもたせる意味で効果的。
素材の持ち味を上手に引き出し、バランスを考え、細部まで気を配っているクオリティーの高い一杯。
また、奥ゆかしさともどかしさをも同時に感じさせる。
潮汁のようなストレートなダシの旨味や風味を出さずとも、貝類の旨味を心もち強調した方が、独創性や魅力度が倍増するように思う。
【掲載日】2006年1月 【行列】0人 【らーめんの王様】★★★★☆