らーめん自由区・東京ラーメンガイド東京多摩地区のラーメン店リスト>一二三@吉祥寺
一二三・閉店 ラーメン遺産 殿堂入りの名店
ひふみ
【所在地】東京都武蔵野市吉祥寺北町1-10-22 ベルハイム吉祥寺105 【お店の地図】
【電話】0422-21-0919
【定休日】火曜(不定休有)
【営業時間】
○12:00-19:00
○12:00-15:00/17:00-19:00(土日祝)
【最寄駅】JR中央線・総武線・井の頭線 吉祥寺駅 徒歩8分

【メニュー】
○かけそば900円、一二三そば1000円、笹ねぎそば1150円、唐辛しそば1250円、半そば850円
◇味玉子(純粋名古屋コーチン)150円、茎わかめ大盛り150円、(麺)大盛増200円、他

【限定メニュー(これまでの)】
あえそば1100円(スープ付+100円)<13時〜>、つけそば1100円<平日13時〜>、他

【系統】和風醤油系東京ラーメン

【お店について】
1989年創業。「一二三」と書いて「ひふみ」と読む。当初はフードプロデューサー・匠ゆうじさんが始めた店で、その後、工藤吉徳さんが引継いで店主となった。

味作りは、工藤さんが全て独自の研究を積み上げて築いた結晶。
化学調味料や添加物は不使用。つまり「無化調」という言葉がラーメンの世界で使われ始めた頃に、注目を集めたのがこのお店。
また、「魚介だし」、「日本蕎麦のような麺」、「蕎麦とラーメンを融合したハイブリッドな一杯」、「看板がない」、「ジャズがBGM」ということでも話題になった。
今やこのようなスタイルは珍しくはなくなってきたが、東京ラーメンの歴史を語る上では外せない、斬新なラーメンスタイルの先駆けとなったお店でもある。

一二三@吉祥寺-街の風景
吉祥寺北口を出て、東急デパートがある東急大通りを直進すると五日市街道に出る。左折してしばらく歩くとある。
三鷹寄りから撮った街の風景。

一二三@吉祥寺-店舗外観
暖簾や大きな看板という目印はない。
ラーメン店には見えないどころか、何のお店かも分かりづらい。
意識をして見るとダンボールの上に、うっすらと「一二三」と書かれた小さな板切れが載っている。それが目印。

一二三@吉祥寺-ディスプレー
店頭に飾られた魚介素材のディスプレー。

一二三@吉祥寺-店内
店内は、鰻の寝床ともいうべき細長い空間。
ジャズの流れる店内とそれを待つ人々の姿は、「大人の食事処」の雰囲気を醸し出している。
一杯入魂の店主のラーメンづくりは見応えあり。入口近くが特等席。
アシスタントとの二人体制で切り盛りをしている。カウンター12席。後払い制。

蛇足だが、工藤さんのお嬢さんは、「SEBASTIAN X(セバスチャン・エックス)」の工藤歩里さん(キーボード担当)。

2011年10月末、閉店。持病の悪化の為、店主の工藤さんは引退を決意。
2011年11月7日より、お弟子さんが引き継ぐ。「らぁめん一二三 那由多@吉祥寺(武蔵野市)」という店名でリニューアルオープン。
宵の一二三・閉店
よいのひふみ
【定休日】火・土・日曜・祝日
【営業日】月・水・木・金
【営業時間】19:20-22:00

【メニュー】
○らーめん800円
◇名古屋コーチン塩茹でたまご・くきワカメ大盛り・焼き海苔増数各100円
※当初のメニュー
○塩らーめん800円
◇名古屋コーチン塩茹でたまご・くきワカメ大盛り・焼き海苔増数各100円、麺大盛り+200円

【お店について】
2009年7月より、「一二三」の営業が終わった後の第二部、夜間限定営業の「宵の一二三」が始動。
いわば「二毛作営業」。
18:50までは「一二三」として営業し、19:20から「宵の一二三」として営業。
時間帯が遅いので、客の方は「酔いの一二三」となるかもしれない。

宵の一二三@吉祥寺-外観
夜になると雰囲気が変わる。ライトアップされているので、昼間よりもお洒落に見える。

宵の一二三@吉祥寺-店内
厨房に立つのは、工藤氏の愛弟子の好青年。
※当初は塩ラーメン専門店として「塩らーめん」を提供していたが、素材の一部が入手困難になったために、その後、「醤油らーめん」にリニューアルした。
一二三そば+味玉子
本日は「一二三そば」+味玉子

このお店の特等席は、店主の立ち位置である入口近くの席。
目の前で、調理の過程を一部始終見られるのが楽しい。
オーダーを受けると、まず丼鉢をチェック。麺を秤に載せる。
丼鉢にタレを入れ、スープを注ぐと麺茹でを開始。
茹であがるとビシッビシッと丁寧に湯切りをし、麺を入れて向きを整える。
最後に、具を丁寧に盛り付けていく。

精密機械のような無駄のない動き。全てが“静的”な動作。丹精込めてつくるというのは正にこのことだ。

差し出された一杯は、色の濃い醤油の色のスープ。顔を近づけると、ゴマ油の風味がほのかに香る。
まずは一口飲むと、じんわりとクリアな昆布の旨みが味蕾に染みわたる。
続いて、煮干と鰹節の風味がゆっくりと口内に溢れて来る。最後に、醤油の醸造風味がキラリと姿を見せる。

蕎麦つゆに例えられるこのスープは、味醂による上品な甘味と醤油感のある味わい。
鶏ガラなどの動物系の出汁も効いているところが、それとは違うところ。
蕎麦つゆとラーメンスープの「ハイブリッド」なテイストで、和みのある味わいである。

飲んではスーッと消えていく「無添加」ならではの極上の旨み。実にウマい。

麺は細ストレート麺。四角く、折れにくいピーンとした形状。見た目からも、蕎麦の外皮の粒々が混ざっていることが分かる。
スルスルと口の中に滑り込むスピード感はあるが、蕎麦のような摩擦係数の高さも感じさせる。噛めば「ボソッ」とした武骨な歯触りをも感じさせる。
蕎麦粉が練り込まれている麺は、味や風味的にはやはり日本蕎麦に近い。スープとの相性は抜群だ。

具のチャーシャーは、モモ肉の煮豚。程よい味付で、しっとりとした肉質。
メンマの代わりとなる茎ワカメはツルツルとしていて、クキクキとした食感を楽しめる。
味玉子(名古屋コーチン)は固茹でで、ホクホクとした食感。味は濃厚。
他の具は、笹切りのネギと海苔。

クオリティと完成度の高い一杯。
この至高なる味わいは、「らぁめん一二三 那由多@吉祥寺(武蔵野市)」でも継承されていくことと思う。

【掲載】2011年11月 【行列】0人 【らーめんの王様】★★★★★
★このページに掲載されているそれ以前の実食レポートは、下記のページです。

宵の一二三の「らーめん」+名古屋コーチンの塩茹でたまご【2010年12月】(7)
一二三そば+味玉子【2010年5月】(6)
宵の一二三の「塩らーめん」【2010年5月】(5)
あえそば(スープ付)【2009年3月】(4)
唐辛しそば【2007年12月】(3)
一二三そば【2005年9月】(2)
一二三そば+味玉【2003年】(1)

らーめん自由区東京多摩地区のラーメン店リスト>一二三@吉祥寺
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